第3回
ひとSTORY
内田達也さん(シンガーソングライター)
80年代前半福岡を中心に活動し、人気を博した元Super Skants(スーパースカンツ)のギター、その後Messengers(メッセンジャーズ)ではヴォーカル&ギター。最近はソロでアコースティックギターで歌う。
HPを覗くと、ユニークな方法を取り入れたヴォイストレーナーとしても活動中。選ばれた言葉にはスピリチュアルな香りもした。
Super Skants時代の写真は俳優の生田斗真と瓜二つ。実際お会いするとHPの印象や端正な顔立ちとは対照的に気さくで話し上手。
話の中で見えた内田達也のキーワードをあえて先に伝えるならば「オールマイティ」そして「良い出会いを引きつける能力」
音楽との出会い
音楽との大きな出会いは神戸の小学校で。初めて聞くブラスバンドの音に『カッコイイ!!』と転校生は衝撃を受けた。
中2になって柔道をする傍ら、少年マンガの通販で12800円のテレキャスターを購入。高校では、ブラスバンドに入り、ベース、パーカッション、トランペットを経験。その後あるバンドからギターを頼まれ、そこからギターを猛練習。そして友人と2つのバンドをかけもちし、1つはベース担当、もう1つのギターを担当した「スイートペイン」ではチープトリック等のコピーで中村大学の学園祭に出演。たくさんのミュージシャンとの交流が始まる。
本格始動
20歳でSuper Skantsにギタリストで加入。多くのファンを魅了。福岡発「STATE 9TH」のイベント活動ではカセットブックにも名を連ね、全国規模で話題に。東京、京都、福岡のツアーにも参加。念願の新宿ロフトにも出演。業界で噂になったものの、メンバーの進学も手伝ってグループは残念ながら解散。
Super Skants時代
東福岡高校に進学しグループ名「マリモ」を結成。2年の3学期にたまたま「照和」に立ち寄った所、中学・高校での同級生がオーディションに合格した場面だった。思わず自分たちもオーディション申請をし、翌週に合格。そして他の同級生もまた合格。なんとこの同級生たちは当時珍しく現役高校生ながら「照和」に出演。後にこの内の3人はレコードデビューを果たし、その1人が甲斐よしひろさんだった。「照和」には姫野達也さん(後にTULIP)、千葉和臣さん(後に海援隊)ら東福岡卒の先輩が数人いて、時々巡回してくる生活指導の先生に話をつけてくれたりと大変可愛がってもらった。
Messengers
その前もそれからも「人と違う音」を常に追求。プログレッシブも聞くようになり、「Messengers」結成。ギターとボーカルを担当。4曲入ったカセットを発売。この頃は、英詞での曲作りが中心であった。
進化
以前から興味があった見えない世界、瞑想、マクロビオティック。後に奥様になられるライフスタイリストゆうこさんやセラピスト関野直行氏との出会いもあり、それまでの考えが確信に変わる。孤独感、疎外感等のテーマから地球、自然、受け取るエネルギーと歌詞が変化しはじめる。この頃よりアコースティックな音へとシフトし、ソロ活動がはじまる。
1994年に瞑想のピアニストWong Wing tsan(ウォンウィンツァン)氏との出会いで影響を受ける。2000年には「いい夜だね」をリリース。2008年には関野氏の瞑想CDをプロデュース。
2011年には自身のソロCDを検討。Messengersのレコーディングでもお世話になったスタジオHEACONの石橋三喜彦氏に相談。曲を聞かせてみると石橋さんは言った。「スタジオではなくて、森で録音した方が良いよ!自然の中には鳥の声や風の音、ものすごい情報量があるしね!それをCDに入れて一緒に聞いてもらおうよ!」実は彼は自然の中での録音を以前から夢に描いていた。もちろん即決。まだ寒さが残る4月の大分県九重町の森の中で、鳥の囀りが微かに聞こえるMini Album「花」は完成。
今、そしてこれから
多様なワークショップの内容はHPに任せるとして・・・
彼の才能、活動はミュージシャンだけではなかった。
倍音で心身を癒すハーモニックヴォイスヒーリング。
フラ(ダンス)と演奏のコラボ。
ご子息も通われている北九州市平尾台の「子どもの村小学校」で2012年春から音楽教師として週1回教壇に立つ。今後は「大人の音楽授業」も計画中。
春日市の保育園でマクロビオティックの給食作りに携わった経験から、「音野菜(おんやさい)」と言う音楽も聞けて内田作のランチを食すイベントの開催。
日本の古武術「大東流合気柔術」弐段。
一見「何屋さん?」と思われる方もいるかもしれない。「全てが繋がっている」と本人は言う。ベースになっているのは、地球を含む自然への感謝と身体も心も喜ぶと言ったところだろうか?言えるのは思いつきではなく、彼の探究心の成せるワザとして必然的にオファーが来たり、彼の生き方に共鳴した人々が引き寄せられて新しい活動が誕生するようだ。
歌い手・内田達也
しかし、彼は「歌い手」。
〜「歌う」の語源は「うたふ」、「訴ふ」
神事で祈りを捧げ届けることが「歌い手」の役目。
つまり、「歌い手」とはメッセージを伝える人なんだ。〜
最後にこう話を結んだ。
終わりに
彼の音楽を語るなら、3つのパフォーマンスをまずは確認すると良い。
自然、風、宇宙、光を歌うナチュラルな内田達也。
Messengersで大人のJAZZYな歌とギターを奏でる内田達也。
敬愛するDavid Bowieをカバーする内田達也。
良い意味で彼はカメレオンのよう。内田達也の芯は変わらずに、表現したい事で色んな顔を見せてくれる。どの彼がお気に召すか、LIVE会場で自分の目で耳で確認して欲しい。
文:MARI OKUSU 2013.1.17掲載