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第26回

ひとSTORY

MAYUMIさん(ジャズボーカリスト)

MAYUMIさん(ジャズボーカリスト) MAYUMIさん(ジャズボーカリスト)

JAZZとは無縁だったOL時代、友達に誘われたJAZZライブで「これだ!」とJAZZボーカリストになることを決めた。そのターニングポイントからまっしぐらに歩んできたMAYUMIさん。今や福岡を代表する人気ボーカリストである彼女の歌唱力には、幼少からの密かな経歴があった。

歌好き幼児〜のど自慢常連の小学生

福岡県三井郡で生まれ育つ。幼少の頃に一緒に住んでいた「歌が上手なバスガイド」である実の叔母の影響を受けた。歌が大好きで当時ヒットしていた昭和歌謡を歌う叔母の声が今も忘れられない。小学生の頃には町内ののど自慢大会やカラオケイベント等に出場し、当時流行した歌謡曲を披露していた。人前で歌う度胸はここで備わったのではないか。

洋楽への目覚めとバンドで歌う日々、そして演歌も

中学生になり「MTV」「ナイトジャック福岡」「いかすバンド天国」等のポップスの音楽番組をよく観るようになり、それがきっかけで洋楽のポップス等も聴きはじめた。高校時代は、ガールズバンドのボーカルを担当し、福岡や久留米でライブ活動三昧だった。

その頃、母の代役で地元のカラオケ大会に出場し、見事に予選通過、それがきっかけとなり、演歌歌手の鳥羽一郎氏の前座で演歌を歌い、すぐにスカウトが来たが、歌手の道どころか演歌にも興味がなかったため、あっさりと断わってしまったエピソードもある。

ジャズと出会ったとき、『これだ!!』

社会人になったある日、友人からライブに誘われて、天神西通りにあるLive Barに行ってみた。そこで初めてJAZZと出会う。その頃、「私にしかできない事をやりたい」といつも思っていた。そしてJAZZを聴いた瞬間「これだ!」とビビッときた。そこで演奏していたピアニスト立花洋一氏の門を叩くことになる。それからはOLをしながらJAZZボーカリストとして活動を数年続けた。ある中洲のJAZZクラブでピアニスト内田浩誠氏が率いるトリオの専属ボーカルとして身を立てることになる。そしてその後も、JAZZに真摯に向き合い、今まで様々な音楽シーンで活躍してきたことは言うまでもない。

CDのリリース、そしてこれから

2012年2月、INPEXレーベルから『I Wish You Love』をリリースした。それまでの音楽活動の結晶ともゆうべき作品に仕上がっている。

最後に今後のことをきいてみた。「活動の幅をもっと広げて、世界にも目を向け、海外にも通用するボーカリストになりたい。JAZZはLove Songが多く、愛するというメッセージが込められています。この音楽の素晴らしさを伝えられるメッセンジャー的な存在として皆さんの音楽ライフに少しでも寄り添う歌が歌えれば」と低いトーンで話す声は、心にずっしりと響いた。

終わりに

東京でも大阪でもMAYUMIさんみたいなJAZZボーカリストはなかなか居ないといわれるらしい。落ち着いた歌声は、古き良き往年のジャズボーカリストたちと重なる。ぜひとも福岡から、世界へ羽ばたいてもらいたい。

文:TOHI MURATA 2017.3.31掲載